金曜夜10時からはNHKBSの「KARATSU ジャック・マイヨールが愛した海」を正座して見た。ダイビングの趣味もない俺が、この１時間番組を見たのは、この番組を京王線明大前の某大でやっていた文章教室の教え子で、NHKのアナウンサーになった小林正純くんが企画し、実際に自分も潜って製作したからだ。
彼を教えたのは大学１、２年生の時だから、今から十年も前になるか。野球で有名な大阪桐蔭高出身で、入学当初からアナウンサー志望。切れるタイプではないが、性格のいい子で授業の後にやっていたド・トールでのお茶の会にもよく付いて来た。２年生になった時、後輩を迎えた自覚をテーマにした作文の出来がよく、満座の中で褒めた記憶がある。
それがなんと男子の同期が７人というNHKのアナウンサーに受かったというので驚いた。宇都宮にも遊びに来てくれ、名物の餃子とカクテルで歓待したこともあったなぁ。駆け出しは松江放送局。全国中継の番組に出るたび連絡をくれ、新人アナの紹介番組で、島根に伝わる勾玉を手にしてあいさつした時は「ああいうのは地元にウケる」と褒めたこともあった。
当時はスキューバダイビングなどやっていなかったはずだが、３年ほど前佐賀放送局に異動になってからダイビングを覚え、唐津の海に潜るうち、その海の美しさにひかれた。その海と素潜り100㍍の記録を作った世界的なダイバー、ジャック・マイヨールが子どものころから関係が深かったことを知り、一緒に潜った地元のダイバーや旅館の女将などの話を交えながら、唐津の海の四季折々の美しさを映像化することを思いついた。
アナウンサーが番組を企画するのは珍しく、小林くんの水中でのくぐもった声も番組で流れたから「海の中のサカナは美しいね。これからは潜れるアナとして重宝されるかも」とメールしたら「とにかくきれいな海なので、海感とマイヨールの関係を出せないかと企画を立てた」とかっちょいい返事が返ってきた。
こうやって教え子が活躍するのを見るのは、年長組にとって何よりうれしいことなのだ。 |
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