80年前のきょう、日本は米国ハワイの真珠湾攻撃を行い、太平洋戦争が始まった。国力を考えれば戦争なんてとてもできる状態ではなかったのに、どこで何を間違ったのか。人間は平気で間違えを犯すのだ。ということで先月読んだ本。 立花隆著「立花隆の最終講義」。今年亡くなった”知の巨人”が11年前に行った東大のゼミ生向けの6時間の講義をまとめた。科学から生と死まで講義は他方面に及び、とてもエキサイティングな本。奥田英朗著「沈黙の町で」。読書感想文の課題図書にしたので、十年ぶりに読み返した。いじめを受けていた中学生が謎の死を遂げる。同級生、学校、父母、警察のそれぞれの動きがもろもろを考えさせられる。いじめられる側にも数々の問題があった。大学4年生の課題図書にしたが、総じてよく書けていた。 今尾恵介著「地図帳の深読み」。俺ってガキのころから地図って大好きだったんだ。3年前に出た地味な本なのに7刷を重ねているのは、内容が面白いからなんだね。徳岡孝夫、土井荘平著「百歳以前」。91歳の旧制中学の同級生がもうじき百歳の日常を綴る。二人とも妻を失くしており、少々せつない。 笛美著「ぜんぶ運命だったんかい」。「#検察庁法改正に抗議します」のツイッターで一大ムーブメントを起こした笛美さんの初の著作。日本のおじさん社会で窮屈な生き方を強いられていた広告ウーマンが、海外留学を経て世の中との向き合い方が変わっていったことを軽妙なタッチで語る。これは面白かった。内田樹著「コロナ後の世界」。真面目に読んだのだが中身をすぐ忘れてしまった。 森まゆみ著「聖子」。新宿の文壇バー「風紋」の主人、林聖子の生涯を丁寧なインタビューで綴った。ここに登場する文士の名も知らない世代が多いんだろうな。山極寿一著「京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと」。山極氏は本物の学者だと思う。大学教育は難しいね。三遊亭圓生著「寄席楽屋帳」。圓生師匠は一番聴いた噺家。これから圓生百席のCDを聴こうと思っているので手にした。語り下ろしをまとめた本なので圓生さんがそこにいるかのような本。 池井戸潤著「七つの会議」。大学四年生向けの読書感想文の課題図書。”倍返し”を流行らせた池井戸さんの世界を知ってもらうにはどの本がいいかと考え、かつて書評したことのあるこの企業小説を選んだ。再読してよくできていると思う一方で、読み落としていたところもけっこうあった。 × × × × あすはコロナ以降初の遠出をするため”明日休診”です。Content-Disposition: form-data; name="image"
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