「クリスマスに算太(サンタ)がやってきました」――。この阿呆みたいなフレーズは、今朝の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で流れたナレーションだ。太平洋戦争にとられ、生死不明だった兄の算太(濱田岳)が、岡山の雉真の家に嫁に行ったヒロインで妹の安子(上白石萌音)のところにようやく帰ってきたという回だった。 この英語とのかかわりを通した女性の三代記を描く「カムカム」。スタートの舞台は岡山の和菓子屋である。気象予報士を取り上げた今年度上半期の朝ドラ「おかえりモネ」の舞台となった宮城県気仙沼の海、登米の森が美しかったのに比べ、英語とのかかわりというのがいまいちピンと来ず、モネちゃんほど熱を入れては見ていなかったのだが、NHKは大河並みに力を入れて製作しているだけあって、だんだん面白くなってきた。ちなみに俺は渋沢栄一がいまいち好きになれないので、ことしの大河は珍しくパスだ。 土曜の午後、この「カムカム」のヒロイン役、上白石を岡山に迎えた「土曜スタジオパーク」をライブでやっており、撮影中のエピソードなどに会場は大森盛り上がりだった。カムカム英語のラジオ番組に出ていた平川唯一さん(声、さだまさし)も安子の父親役、金太を演じた甲本雅裕も岡山出身で、サプライズゲストに、ドラマの中では戦争直後に亡くなった甲本を登場させたのもウケた。 俺の知り合いの岡山出身者には、サックスの巨匠、宮野さんがいる。宮野家では真剣に朝ドラを見ているとかで、安子の母親役のYOUの岡山弁はちょっと違うとか。 安子に英語を教えた夫が戦死して、雉真家に居づらくなったヒロイン。幼い娘と一緒に大阪に出ておはぎを売って生計をたてていたが、交通事故に遭い岡山に戻る。そこで進駐軍の中尉とトラブルになっていた花売りのおばさんを助けようと、初めて使った英語が通じて喜ぶというのが先週のストーリーだったが、おはぎを全部買ってくれた中尉のオフィスにおもむいた安子はなぜ夫が戦争で死ななければならなかったのかを英語で訴える。 この演技はなかなかの見ものだった。英語が苦手な俺には半分くらいしか分からなかったが、上白石はメキシコで幼少期を送ったとかで、英語は上手なんだとか。安子が未来の夫と通っていた喫茶店のマスター(世良公則)が米軍キャンプで歌った歌はなかなか感じが出ていた。世良の歌を「あんたのバラード」以来40年ぶりに聞いた。 日曜、TBSの「世界ふしぎ発見!」を見ていたら、この進駐軍中尉を演じていた日本語の上手なイケメン、村雨辰剛(造園家らしい)というのが、屋久島の滝を登るところをやっており、そのタイミングの良さに不思議な感じがした。 |
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