だいぶ押し迫ってきた。それとともに寒さも一段と。西の方では雪で立ち往生しているところもあるが、東京は本日零下2度とか。こりゃ少々驚いた。29日に今年の本のベストテンをやって年内のつぶやきを終える予定なので、まだ1,2冊読むかもしれないが、今月読んだ本。 黒川博行著「熔果」。金塊の密輸に絡んだいつものドタバタ劇。黒川氏は犯罪の世界に詳しく、会話のテンポが心地よい。刑事上がりの二人が大活躍するのだが、メシを食うたびに賭けをして、一方が払うシーンがたびたび出てくる。「折れ」という時も。割り勘を意味するこの「折れ」という言葉を使ってみたくなった。 逢坂剛著「ご機嫌剛爺」。広告代理店に長年勤めていた逢坂氏は挿絵画家、中一弥氏の子息で、ギター、スペイン語、ガンプレーなど多彩な趣味を持ち、楽しく生きてきた。その生き方を語り下ろした。「カディスの赤い星」などの軽妙な会話は長年の言葉の収集から生まれたと知った。柿沼陽平著「古代中国の24時間」。中公新書だが、長年読んできた中国古典から古代中国に生きていた人間の生活を活写した。面白い内容。 国立国語研究所編「日本語の大疑問」。いつも使っているのによく知らないのが日本語。小指を立てると日本では「女、愛人」を意味するが、シンガポールでは「一番後」、中国では「悪い」、インドでは「トイレに行きたい」などの豆知識も得られる。梨木香歩著「ここに物語が」。装丁に惹かれて購入したが、彼女が20年来書いてきた書評をまとめた本。ちょっとテイストについていけなかった。 猪木武徳著「経済社会の学び方」。俺は経済理論をまるで知らないまま経済部記者を30年もやってきたのだということを痛感させられた。半藤一利著「歴史探偵開戦から終戦まで」。半藤さんの著作は全部読むことにしているが、この新書はあまりたいしたことがない。 × × × × あすは大学ゼミ仲間とのゴルフの打ち納めのため”明日休診”です。
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