隠居志願のつぶやき2017

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...... 2022年01月18日 の日記 ......
■ 泣く泣くオンライン講義   [ NO. 2022011801-1 ]
 日曜は生物学を久々に休講にし、某団体から頼まれてやっている読書感想文の添削にからむ読書講座を都内某所の学生寮でぶちかましてきた。俺が今年度担当しているのは大学4年生10人。この子たちの感想文を1年生の時からみている。毎月1冊課題図書を指定し、学生が自分で選ぶ自由課題と合わせ、月に2本の感想文(800字)を読んできた。さらに年に2回、5月と1月に読書に関する講義をすることになっている。
 今回は卒業を控えた10人に会えると思って楽しみにしていたのだが、学生たちが生活する寮内にコロナの感染者が出てしまい、ズームによるオンラインの講義と相成った。俺の授業のやり方は、草稿をキチンと作るが、話しているうちにどんどん学生を指名して問いに答えさせ、講義に集中させるスタイル。これだと応答の時間がかせげ、1時間の講義なら草稿は京大式カード10枚ちょっと用意すればいいというのが経験則。
 ところが、オンラインでは学生の顔は見えるが、当てて答えさせることができないので、ずっとパソコン画面に話しかけることになる。こういうの苦手なんだよね。
 で、事前に3時間ほどかけて京大式カード15枚に草稿を準備。卒業してからも感想文は書かなくていいから、読んだ本のタイトルと著者名のリストは作ってとか、今、月に2本の800字の作文を書いている学生はそうおらず、この文章作成経験は社会に出てから絶対役立つとか、書く場合はエッセーではないから、起承転結型ではなく「結」起承展型で書くようにと従来からの主張を繰り返した。
 この子たちには昨年11月に池井戸潤作「七つの会議」を読んでもらい、社会に出るのが怖くなったとの感想文もあったことから、組織は新入社員にはさほど期待していない、ルーキーが入ると前年の初年兵の態度が見違えるようによくなるので、新入りを入れる。だから、1年後にそうなればいいのだよと説いた。
 45分で予定の話を終わってしまったので、担当のアンちゃんが学生を一人ずつ指名したら「おかげで本を読むのが苦にならなくなった」など、俺へのお礼の言葉が相次いだ。これは悪い気はしなかった。
 講義後、寮監のえらいさんが現れ、来年度は大学1年生の面倒を見てくださいと告げられた。これでこのアルバイトはあと4年間はクビがつながったことになる。課題図書に選定については、学生が読まないビジネス書も入れてと言うので、「それは全く無意味。会社組織を知らない学生にはもっと深いものを読ませたい」と直ちに却下したのである。

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