俺が読書感想文の添削のアルバイトをしている某団体の学生が通っている大学はさまざまである。日大、東洋大、中大、城西大、桜美林大、お茶大……とある中で、一つだけイメージのわかない大学があった。東京都市大というのである。駆け出し福島支局時代、5,6年生のころは教育担当で県政記事の他に毎週200行の教育企画を書いていたこともあるのだが、そんな俺が知らない大学がある。 東京都市大の女子大生はそんなアホな感想文を書く子ではない。いったい東京都市大とはどんな大学かとずっと思っていて、彼女が卒業間近になってその謎がやっと解けた。中央線の社内の動画広告に「東京都市大は武蔵工大の伝統を受け継ぎ……」というのが流れていて、もとは武蔵工大。それが2009年に創立80周年を記念して東京都市大に名称変更したのだった。武蔵工大は福島時代からのポン友浩ちゃんの母校ではないか。 理系の工業大学のイメージが強い旧大学名から総合大学を目指して改名したようだが、伝統ある大学名を変えるのは、都立大が首都大学東京にしたのと同様、なかなか受け入れづらいのではと感じた。 だいたい大学名というのは、国立の場合、東大、京大、東北大、名大、九大など地名に基づくところが大半。私大の場合は慶応、明治、大正、昭和、平成帝京など元号を基にしているところも多い。大きな名前がいいと、近畿大、日本大、亜細亜大、東洋大なんてのもあるな。さすがに宇宙大はまだないか。 首都、東京のイメージで学生を引き付けようと、箱根駅伝にも出ている東京国際大なんてのもあるが、メーンのキャンパスは埼玉の所沢だ。東京福祉大というのもメーンは群馬県伊勢崎市だ。俺の母校がいまいちパッとしないのはその名に原因があるのではないか。1875年設立当初の東京高等商業学校があった神田一ツ橋から取ったみたいなのだが、地方からはちょっとイメージがわかないよな。一応、国立の”名門”と言われているんだけどな。 |
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