土曜日の中高の仲間「小金井会」５人のZoom懇談会では、特別支援学級運営の手伝いをしている元鉄屋のHが「教員免許の更新ができなかったので、４月から出かけるところがない。どうやって時間をつぶそうか」と嘆いていた。ほんに年長組にとって「きょういくときょうよう」は欠かすことができないのである。
品行方正で賭け事とは無縁だったHに３年前、東京競馬場に案内し競馬の存在を教えたのは俺である。以来Hは毎週馬券を買っていて、そう大敗はしていない様子。「競馬に親しんでいてよかったろ」と言ったら「全くだ」と話していた。小金井会の他のメンバーで元銀行マンのTはテニスと税理士試験挑戦、元電機屋のMKは江戸案内とジム通い、元ゼネコンのKKは軽音楽実演と散歩で有り余る時間を過ごしているみたい。
そういう年長組にとってこの時期、ありがたいのは北京五輪のテレビ中継である。俺なんかフィギュアスケートもハーフパイプも全く興味がないのに、ネイサン・チェンの堂々たる金メダルの演技、彗星のように現れた鍵山優真くんの流れるような銀メダルの演技、羽生結弦の４回転半への挑戦、平野歩夢の何回転しているのかよく分からない人間技とは思えない金メダルもリアルタイムで全部見てしまった。
カーリング女子のデンマーク戦で可愛らしい藤沢五月、と言っても30歳、が決めた大逆転の見事なショットもリアルで見たし、昨夜は女子スピードスケート500㍍で、高木美帆（27）が自己ベストを出して銀メダルを獲得した瞬間も見た。連覇が期待された小平奈緒はちょっと精彩を欠いた。35歳だからよく頑張って五輪に出たと思うな。
国営放送は高木美帆が中３の時から12年間、彼女をずっと追い続け何千時間もフィルムを回している。そのNHK特集も見たが、真っ赤なほっぺの女の子が成熟した大人の女性になっていく変化が見て取れ面白かった。きのうのレースは２人ずつ15組が滑り、早い段階の４組目で好タイムを出した美帆ちゃんは控室でエアロバイクで調整していたが、30人が滑り終わって銀メダルが確定した瞬間、跳び上がって喜びを表現していた。ああいう映像を見せられると、あとからなんぼ文字でそれを伝えようとしてかなわないな、と思うね。スポーツ中継はやはりライブに限る。
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