濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」がカンヌ国際映画祭で脚本賞など4冠を取り、アカデミー賞作品賞にもノミネートされたと知り、ミーハーとしてはオスカーが決定する前に見ておかねばと思った。で、ちょっと調べたら立川の高島屋8階のシネマコンプレックスで朝10時40分から1日1回上映しているではないか。善は急げ。で、きのう朝10時20分に立川に出張ると、百席ほどのミニシアターは平日なのにほぼ満席で、残るはスクリーンに近い前の方の10席ほど。こりゃ驚いたね。俺と同じミーハーが多摩にも多いとみえる。 主演は西島秀俊。演出家で俳優の家福悠介の役をやる。家福は2年前にくも膜下出血で亡くなった脚本家の妻、音(霧島れいか)にきちんと向き合わなかったという過去を抱えている。この男、真っ赤な愛車の中で妻が吹き込んだセリフに重ねてセリフを話す練習をするという習慣がある。そのカセットに吹き込まれたテープが2年後も生々しく聞こえる。これは音声を上手く使った映画だね。 家福は広島で行われた演劇祭で、オーディションで集めたアジア数カ国からの俳優による劇を演出することになるが、その中には手話で演ずる韓国の女優もいる。さらに亡くなった妻と関係があったと思われる若手俳優、高槻(岡田将生)もいる。この高槻の人物像が謎めいていて、この179分の長い映画を最後まで飽きさせない。 終盤はマイカー運転は禁止ということで、家福の赤い車の運転をする映画祭が用意した女性ドライバー、渡利みさき(三浦透子が好演)との会話を通じて、家福が再生するというストーリー。全く長さが気にならない映画で、チェーホフなど演劇の知識があればもっと面白かったかもしれないね。 このドライバー役を演じた三浦はオーディションで車の免許を取ることを条件に起用されたとかで、今、朝ドラでヒロインひなたの友人役でベリーの娘役、一恵で出ているから、NHKのドラマ制作陣の目配りの広さにも関心するなぁ。 × × × × あすは年長組による芝刈りのため”明日休診”です。 |
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