竹橋の新聞社時代はビル地下のあんみつ屋で密談をよくやっていたが、昨年までのマンション管理組合理事長時代は西国駅近くのケーキ屋さんで女性副理事長と役員の職務分担をどうするかなどの秘密会合を時折り開いていた。 この小さなケーキ屋さんの存在を知ったのは3年ほど前。一人で店を切り盛りしている立川から通う由佳ちゃんは話し好きで、ちょっと見30歳前後。季節季節に新作のケーキがショーウインドウに並ぶのも楽しく、焼き菓子も置いている。 きのう半年ぶりに訪れ、新作のオレンジを使ったケーキとコーヒーをいただいていると、「私、結婚しました」と切り出されたので「えーっ!」。確かに壁の食品衛生管理者のところの苗字が変わっている。しかし、コロナ禍でお店を一人でやっている彼女。なかなか出会いの機会はないはず。 で、「昔からお付き合いしていた方と?」と尋ねたら「どうしても結婚したくて、1年ほど前に結婚相談所に登録したら、立川市内のアパートに住む2歳年上のいい人が見つかりました。ケーキ屋は続けていいと言うし、酒タバコはやらない人。パソコン仕事の会社員ですが、コロナで在宅勤務が多かったので、週1のデートが出来、そこで人間性を確かめることができました」。 ことし36歳になる由佳ちゃん。赤ちゃんは絶対欲しいと思い、きちんとお金を払って相談所に登録し、数人目に子どもはほしいという今のダンナ様にめぐり合ったのだとか。「結婚式は身内だけで5月に挙げて、沖縄に新婚旅行に行く予定ですが、もう入籍して実家近くのアパートで一緒に住んでます。料理も上手で助かってます。イビキが大きいのが玉にキズかな」。 SNSで知り合った同士で結婚したケースは知らないでもないが、結婚相談所の仲介で一緒になった人の話は初めて聞いた。よくよく考えれば俺たちの頃にあった世話焼きおばさんが介在した見合い結婚と思えば納得がいくか。ともかく、由佳ちゃんは幸せそうで、何かお祝いをしなくっちゃと思ったのでした。 |
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