夕刊でサラリーマンページのデスクをしていた30年近く前、「こだわり」というコラムを作った。着るものは全て「ラルフ・ローレン」という百貨店の男性社員とか、行く行くは「南の島」に住みたいという国立の知り合いに登場してもらったりした。この知人は実際にカミさんと一緒にロタ島に移住し、優雅な生活を送っていたが、奥方の久美ちゃんががんにかかり、日本で治療したがはかなくなった。 国立のレストランで行われたしのぶ会で、久美ちゃんが真っ青な海でダイビングに興じる映像を見たのは何年前だったか。あの会には久美ちゃんにピアノを習っていたことのある次女も参加したのだった。 今、お前のこだわりは?と問われたら、何と答えるのか。チンケなことしか思い浮かばないな。俺は意志が強いので大学に入った18の時から、喫煙をこれまで一日も休むことなく続けており、そのタバコの銘柄はずっとセブンスターということと、タバコに火をつけるライターはビックの166円、それも黄緑色のヤツということか。 かつては農水省の事務次官にもらった間伐材で作った木製のラーターケースに、小さめのビックのライターをティッシュにくるんでズレないように入れていたこともあったが、海外取材中にこのライターを盗まれ、以来こだわりなく百円ライターを使っていた。7,8年前京王線明大前の某大でやっていた文章教室の教え子から卒業記念にもらったジッポーの金色のライターを愛用していたが、3年ほど前に壊れてからは、どのコンビニでも売っているビックの166円ライターにした。 俺、中身のガスオイルが透けてみえるタイプはキライなのだ。ビックのライターは赤、青、黒、紫など数種類の色があるが、黄緑色にこだわっている。3カ月くらいでガスが切れるので、この色がない場合も考え、その前にコンビニでこの黄緑色を準備することにしており、今ウチには3個買い置きしてある。 なんで黄緑色かというと、「五月みどりのシャツ黄緑」という20年も前に覚えた言葉遊びが頭を離れないからかな。 × × × × 今週の拙宅の花は「マダムセリース」という深紅のバラと白い大輪のバラ、それにブルーがかったスイートピー「メリーブルー」です。 |
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