最終週の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は怒涛の展開。ということで3月に読んだ本。 今村翔吾著「じんかん」。1月に「塞王の楯」で直木賞を取った今村が20年に山田風太郎賞を取った作品。ずっと気になっていた時代小説で、受賞を機に手にした。直木賞の授賞式に人力車で駆け付けた今村。ちょっとヤな感じと思っていたが、なかなかの力量とみた。「じんかん」で取り上げたのは織田信長にも屈せず、爆死した松永久秀。稀代の悪人とされた松永を別の角度から取り上げたのが新鮮。 小野寺史宣著「ひと」。両親を亡くし大学もやめた20歳の子が、ふとしたきっかけで世の中捨てたものではないと前に進んでいく物語。21年度の「本の雑誌」が選ぶ文庫第1位。まったく知らない作家だが、読書感想文の課題図書にいいかなと感じた。稲垣えみ子著「老後とピアノ」。朝日新聞を退社したアフロヘアの稲垣さんが、ずっと遠ざかっていたピアノに真剣に向き合う。軽快なタッチの文章が心地よい。 西條奈加著「隠居すごろく」。全部読むことにした西條さんの最新文庫。なかなかよくできている物語。黒尾誠著「腎臓が寿命を決める」。主治医から「腎臓の機能はいいね」と言われたので、この幻冬舎新書を手にした。腎臓が1日180gの原尿をつくり、血液に戻す分と尿として排出する分とに仕分けし、体内の水分、塩分を一定に保つ働きをしているなんて知らなかった。 高橋源一郎著「これは、アレだな」。いま流行っているこれは昔あったアレではないか、という源一郎さんの視点は正しいと思った。黒江哲郎著「防衛事務次官冷や汗日記」。政策情報誌にいたころ政治部出身の編集長が黒江氏の話をよくしていた。誠実な役人もいるのである。佐々木千賀子著「立花隆秘書日記」。20年ぶりに再読。3月25日につぶやいた。 笹原宏之著「漢字ハカセ、研究者になる」。岩波ジュニア新書だが、なかなか面白かった。この人の専門は日本で作られた漢字「国字」とのこと。天橋立の1文字国字があることを知った。伊集院静著「読んで、旅する」。伊集院の前妻は言わずと知れた夏目雅子。現在の妻は女優の篠ひろ子。20年に伊集院はクモ膜下出血で倒れたが、ようやく回復し、旅の話を一冊にまとめた。しみじみとした良い本。 × × × × あすは中高の仲間と平日ゴルフのため”明日休診”です。 |
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