参院選は与党自民・公明の圧勝だった。当然だよね。野党共闘ができず、一人区で野党系は4勝28敗となったんだから、もとから支持層の厚い自民に勝てるわけがない。 きのう夜中までの開票速報を俺はいつものNHKではなく、テレ東の池上彰司会の番組を見ていた。そこでう〜んとなったのは、安倍元首相の銃撃事件で投票行動が変化したかどうかの視聴者アンケートで、13%が変更して自民に投票したという点だ。「弔い選挙」というイヤな言葉がある。1980年だったか、衆院選のさなかにアーウーの大平首相が病気で倒れ、自民党が圧勝したことがあった。日本人はそういうのに弱いんだよな。 自民より改憲より強く訴えていた維新が、野党第一党になることを俺は怖れていたが、比例区の得票で立憲をやや上回ったものの、当選者が倍増の12にとどまった(立憲は17)のは、もともと保守的な有権者が維新ではなく自民に投票したからではないか。維新は松井一郎代表が辞任し、知名度の高い吉村洋文大阪府知事も代表選に出馬しないことから、支持層が全国には広がらず関西の地域政党の域を越えられないのでは、とみる。だって「うそ」の中条きよし(76)が当選するような政党だもん。 もっと驚いたのが、マスコミがノーマークだった「参政党」というのが、比例区で1議席を獲得したことだ。この党は20年に設立され、日本の伝統を重視する姿勢をアピール。クラウドファンディングなどで4億円以上の資金を確保し、SNSを活用し、既成政党にあきたらない保守層に浸透を図ってきた。 東京地方区に出た河西泉緒という候補は13万票余り(2.2%)の得票で11位だが、九州の一人区では数万票を集め、3位に堂々と入っている候補が多く、比例区ではかのNHK党の2.4%、みずほちゃんの社民の2.4%より多い3.3%を集めている。毎日新聞で選挙直前、この参政党の動きに注目して「風知草」という大コラムで神谷宗幣事務局長(44)とのインタビューを取り上げた山田孝男特別編集委員。そのコラムを読んだ時は、「山ちゃん、何トチ狂ったのか」と思ったのだが、今思うと慧眼でした。 |
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