幼稚園のころのおやつ代は一日10円だった。当時住んでいたのは青梅市。その10円玉を握りしめて近所の和菓子屋に行ったんだろうなぁ。長四角の水ようかんを買ってうちに帰り、糸で左右縦横を8_角くらいに切り、楊枝で小さな立方体になった水ようかんを少しずつ食ったのが、俺の一番古い記憶のような気がする。 犬に追いかけられて必死に逃げたとか、路上で”大”を我慢できずに半ズボンを汚したなんていうのもあったなぁ。幼稚園で昼にいつもあんぱんしか頼まない貧相な子に「チョコレートパンに変えて注文してあげたら、喜んでたべていたわよ」と女先生が、同僚に話しているを耳にして、さもありなんとませたことを思ったのは四恩幼稚園時代の耳の記憶の一つだ。あの幼稚園、まだ、あるのかな? 俺らのガキの頃は町内におばちゃん一人がやっている駄菓子屋というのがあって、そこでどれにしようかと悩むのが楽しかった。水ようかんは駄菓子屋にはなかったが、そんな店で好きなのは、小さめのタバコの箱のような入れ物に、10本くらい甘い味のする棒が入っている「シガレット」という品だ。タバコのように口にくわえて吸うと、ココアの味がしたのか?あれも10円だったか。 その「シガレット」をきのう国分寺駅ビル地下の駄菓子店「まちおか」で見つけた。この駄菓子店、「訳アリ商品」と題して、ピーナツや柿の種の小袋入りがかなりお安いので、この前から注目していて、きのうもボンタンアメとかみかん味のグミを購入したのだが、店の片隅で「シガレット」にお目にかかるとはなぁ。 今はほんまもんのセブンスターに親しんでいるので「シガレット」に手を出すことはなかったが、最近のガキんちょたちは飛びつくのかなぁ。相次ぐタバコの値上げで、愛煙家が急激に減っているから、現代っ子には人気がないかもね。俺みたいな、かつての子どもが懐かしがって求めるかもな。 |
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