前任者が優秀だとその後任は辛いというのがサラリーマン社会のならい。逆にひどい奴の後なら、多少難点はあっても歓迎される。あくまで比較の問題なのだ。この後者のようなことが起きているのが、NHKの朝ドラ「ちむどんどん」の後の「舞いあがれ!」だ。 「ちむどんどん」のあまりのストーリーのいい加減さに8月半ばに脱落。おかげで9月の俺の起床時間はめちゃくちゃになった。主役の黒島結菜は「スカーレット」に出ていた時はなかなかと、贔屓にしていたのだが、「ちむ……」に出て、可哀そうにミソをつけ、例年ならコースになっている年末の紅白歌合戦の司会にも選ばれなかった。「ちむ」の脚本家のせいとしか思えない。 今月3日から始まった「舞いあがれ!」は子役のうまさが光り、今のところ絶好調だ。ストーリーは東大阪のネジ工場の娘に生まれたヒロイン(福原遥)が、飛行機に魅せられパイロットを目指すというもの。きょうまでの13回までは、ヒロイン舞の子ども時代を演ずる浅田芭路ちゃんの名演にメロメロである。 舞ちゃんは熱ばかり出していて、環境を変えるべく母親(永作博美)の故郷、長崎は五島の祖母(高畑淳子)の家で1学期を過ごしているうちに、何でも自分でやるようになり、熱が出ることもなくなって、大坂に戻る。そして、経営が苦しいネジ工場の父親(高橋克典)を励まそうとする。 この五島での暮らしは実によく描かれていて、もっと続ければいいのにという感じ。白髪(地毛とか)の高畑の自然な演技にも胸打たれた。いったん捨てた故郷に、母親が舞ちゃんのために帰るという設定も染みるもので、祖母は自分の舟に「めぐみ号」と娘の名をつけて、ずっと待っていたのだ。このあたりの理由を何気なく芭路ちゃんが尋ね、高畑が答えるシーンには泣けましたね。 五島で舞ちゃんを往診する医者をクールファイブの前川清がやっていたり、えーっという役者がこれからも登場するみたい。俺なんかの世代だと母親役の永作博美がえらく可愛く見えたりするんだよね。五島で舞と仲良くなった坊主頭の男の子が良かったんだけどな。 × × × × 今週の拙宅の花は、ピンクの大輪のバラ「ケンジントンガーデン」と黄色に朱の入ったスプレーバラ「ロマンティックローズベール」、それに1aの世界で一番小さなピンクの花をつけるスプレーバラ「リトルウッズ」です。 |
|