俺が初めて買ったLPレコードは「マドモワゼル・ソレイユ」と称されたフランスの女性シンガー、ミレイユ・マチューの2枚組である。彼女の巻き舌音「ル」というのをやってみたくて、大学では第2外国語にフラ語を選択したが、「ジュネムクトゥワ」くらいしかフラ語はモノにならなかった。 初任地福島では、「パスタン」とか「涅雅」などのジャズ喫茶に出入りし、数々のジャズの名盤を聴いた。それでけっこうジャズのレコードを集めた。お気に入りはトミー・フラナガンというピアノの名手で、ジョン・コルトレーンとかソニー・ロリンズなどのサックスの巨匠とよく共演した人。それでフラナガンがピアノを弾いているLPは何枚も持っていた。 ところが、レコード針の製造が打ち切られ、CDの時代が到来した。で、チンケなステレオを廃棄し、ジャズの名盤のLPをCDに置き換えることになった。国立の音楽茶屋「奏」にLPレコードをけっこうな数引き取ってもらったなぁ。その中には山口百恵のLPもあったはずだ。 「奏」のライブには35年は通っているが、そこで出会ったアーティストのCDなどを買い求め、30枚は入るCD用の籠が6つになり、この5年は中島みゆきのCDを中古ショップで手あたり次第に買い集めたから、籠からCDがあふれるようになった。 先日、ポストに無料不用品回収のチラシが入っていて、CDも引き取ると記載されていたので、いい機会と思い、この5年間で一度も聴いたことのないCDは捨てることにした。30年も前に「奏」で求めた無名アーティストのものも何枚か含まれる。なぜか同じモノが2枚あった中島みゆきのCDも含め21枚。CD用の棚がすっきりした。 栃木の新聞社を辞めた時に、お祝いのもらったお金で買いそろえた三遊亭圓生の百席CD20枚もまだ3分の1しか聴けていない。圓生の落語はバックグラウンドミュージックのようには聴けないからなぁ。 |
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