先週マスコミ志望の美女とド・トールで2時間も歓談した。この美女、マンション管理組合の役員の時に知り合った女性の長女で、大学3年生。けっこうマスコミ業界の課題にも詳しく、構造不況業種と知ってもマスコミを目指したいというのだから、見所はある。つい嬉しくなって「入社試験で一番みるのは作文。1面コラムのような『起承転結』の書き方をしてはダメだよ」とかなり熱弁を振るったのである。 俺が強調したのは、あるテーマを与えられたら、最初に自分の思うところの結論をドンと書いて、それから何となればと続け、最後にまたその結論に導くという「円形作文法」。50年も前に何社も落ちてたどり着いた入社試験での作文の書き方だ。 2010年に刊行された中公新書の野内良三著「日本語作文術」という本に「『結』起承展」で書けという下りを発見し、明大前の某大でやっていた文章教室でも何度もこれを引用した。名文家の手になる全く結論が予想できない「起」の書き出しを、素人が真似ては、採点官は最後まで読む気が起こらないのである。 それと「カンカラコモデケア」を忘れないで書け!ということも強調した。これも20年間同じことを言い続けている。この呪文は感動・カラフル・今日性・問題意識・データ・決意・明るさの頭文字を取ったもので、彩りのある数字も踏まえた感動的な明るい文章は説得力があって良いというのだが、50年も文字を扱う仕事をしてきて、正確に自分の思いを文字に落とし込むのは難しいんだよね。 しかし、真っすぐな美女を前にすると、なんでこう真剣になるのでしょうか。このミニ授業に出くわしたド・トールの常連の靴屋のお姉さんの言うことには「お孫さん?ではないよね。若いっていいよね」だと。 |
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