大晦日まではまだちょっとあるが、あすここで今年の俺の本のベストテンをやるには今月読んだ本をやっとかないといけないので、12月に読んだ本。 鈴木敏夫著「読書道楽」。ジブリで宮崎駿らの脇にいて名プロデューサーの鈴木さんのこれまでの読書遍歴を綴ったもの。「少年マガジン」とか「少年サンデー」とか、同時代を生きてきただけに、非常に面白く読めた。この本は当たりだった。磯田道史著「日本史を暴く」。中公新書で磯田氏は何冊も歴史の面白さをテーマに書いているが、これもスラっと読める。忍者研究をしているのも面白い。 森まゆみ著「京都不案内」。地域誌「谷根千」をずっと制作していた森さんは難病にかかり、京都で樹木気功をやるようになり、それまでは馴染めなかった京都に時々転地するようになった。そこで出会った人々や社寺は彼女の目にどう映ったか。彼女の文章は波長が合い、面白く読んだ。目黒冬弥著「メガバンク銀行員ぐだぐだ日記」。「三五館シンシャ」がもう10冊以上出している汗と涙のドキュメント日記シリーズの1冊。銀行マンにならなくてよかったと思える本。 小泉悠著「ウクライナ戦争」。ロシア語も堪能で兵器にも詳しい小泉氏には同じちくま新書から「現代ロシアの軍事戦略」という好著があるが、ロシアのウクライナ侵攻の今年9月末までの時点で、なにが起きているかを知るにはかっこうの新書。ロシアの核使用については否定的なのだが。原田マハ著「CONTACT ART」。美術ミステリーを数多くものし、自身もキュレーターだった原田さんが、名画の見方について語った本。カラーページの名画を見ていると幸せな気持ちになる。 今村翔吾著「幸村を討て」。「塞王の楯」でことし上期の直木賞を取った今村の作品はなぜか敬遠していたのだが、松永久秀を取り上げた「じんかん」でなかなかと思い、受賞第1作の真田幸村を取り上げたこの本に手をだした。けっこう面白いのだ。高橋源一郎著「高橋源一郎の飛ぶ教室」。高橋は毎週ラジオ番組をやっており、そのオープニングで語る話を岩波新書にまとめた。コロナ下でなかなか考えさせられる話が多かった。 笹山敬輔著「ドリフターズとその時代」。ことしの3冊に挙げた学者もいる。ドリフってそうだったんだとあっという間に読了。50年前はみんながテレビに夢中になっていたのだ。小野寺史宜著「まち」。読書感想文の課題図書にした「ひと」の続編の文庫。「ひと」同様、読みやすく気持ちを熱くさせる。 × × × × 今週の拙宅の花は深紅のバラ「サムライ」と緑の葉物です。Content-Disposition: form-data; name="image"
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