ことしも目標の100冊を超え120冊を読んだ。もっとゆっくり読まねばとは思うが、せっかちなところは改まらなかった。本を読み返すことはあまりしてこなかったが、読書感想文の課題図書にするため、「鉄道員」「楽園のカンヴァス」「友だち幻想」などを再読。いい本はやっぱりいいと感じた。 さて、恒例の俺の本のベストテンである。このお遊び、古いクリアブックをひっくり返したら、2008年の暮れからやっている。その年のベスト1は奥田英朗の「オリンピックの身代金」だった。 今年のベストテンの第1位は逢坂冬馬の「同士少女よ、敵を撃て」だ。本屋大賞を取った。表紙が劇画チックで手を出さず、本屋大賞を取ったというので、手にしたがこりゃ、ブッ飛んだ。第2位は奥田英朗の「リバー」。この栃木・群馬を舞台にした小説については、9月30日にここでつぶやいた。奥田とは波長が合うと言うしかないか。 第3位は今村翔吾の「幸村を討て」。「じんかん」にしようと考えていたが、12月に幸村を読み、こちらを入れることにした。同一作家はベストテンには入れないのがルールだ。第4位は鈴木忠平の「嫌われた監督」。俺は落合博満が割と好きなのだ。第5位は永田和宏の「あの胸が岬のように遠かった」。NHKでドラマ化されてから読んだ。歌詠みは率直なのだ。永田の妻、河野裕子も素晴らしい女性だったのだ。 第6位は滝井一博の「大久保利通 『知』を結ぶ指導者」。明治の元勲で大久保が一番好きなのだ。毎日出版文化賞を取って驚いた。第7位は藤沢周平、宇江佐真理亡き後、時代小説の分野で一番贔屓の西條奈加の「隠居すごろく」。19年に単行本が出たが、その時は西條の存在を知らなかった。こりゃ、年長組にとって学ぶべきところの多い小説だ。 第8位は読んだばかりの鈴木敏夫の「読書遍歴」。なにしろ同世代だから、共感するところが多かった。第9位は時武里帆の「「護衛艦あおぎり艦長早乙女碧」。女性自衛官が主人公の文庫書下ろし。この本については4月8日に「絶対のお薦め」とつぶやいた。第10位は森まゆみの「京都不案内」。読んだばかり。森さんの本は昨年も「路上のポルトレ」がベストテン入り。波長が合うとしか言いようがない。 そして番外が吉川英梨の「海の教場」。なにしろ次女がこの本の編集者であるからして。しかし、なかなか面白かったのです。 × × × × 02年暮れからスタートした”つぶやき”の前身「冷奴の部屋」から数え、丸20年間続けたこのブログ、いったい何人のお目にとまっているか分かりませんが、ことしもご愛読ありがとうございました。素浪人の”存在証明”として23年もつぶやき続けます。みなさまよい年をお迎えください。新年は5日再開の予定です。 |
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