きのうは某団体に頼まれてこの12年やっている読書感想文添削のアルバイトに絡み、新年度の対応について協議したいというので、団体の学生寮に出張り、1時間半意見交換してきた。俺は新2年生23人を引き続き担当する。集まったのはことし4年生6人を送り出し、新1年生約30人を受け持つ某大講師のM氏40歳前後と同じく新3年生を担当するA氏。それに塾頭のT氏と感想文担当のN氏。十数年やっていて、初の意見交換の会だ。 最初に指名されたので、「とにかく感想文が本ギライを生んではいけないので、絶対読んで面白いと思える本を課題図書にしている。だから、点数を付けるようなことはしたくない。今年の1年生は総じて出来がよい。今の日本で毎月2冊本を読み、800字の感想文を2本書いている学生は多くはいない。4年間続ければ文章力は非常につくと思う」と述べ、「できれば担当者にも課題図書を読んでもらい、学生と本について話し合うことがあったらよいと思う」と付け加えた。 T氏は出来の悪い感想文について、かなりの直しを入れ、再提出させる手の込んだ対応をしている様子。「自由課題の本選びにやや難がある。過去の先生方の課題図書を揃えて、寮に本棚を造りここから学生たちが選んで読めるようにしてはどうか」というグッドアイデアを出した。 感想文は肉筆で原稿用紙に書いて提出してもらっているが、塾側から「最近の学生はいったん、パソコンやスマホに書いてから、それを原稿用紙に書き写している。手間がかかるので、ワードで打ち出したもので提出させるのはどうか」という提案があった。これに対しA氏は「社会に出て直筆で書く場合もあるから、私は手書きを続けてほしい」と応答。俺は今はそんな面倒なことをしているのか、と思ったね。 「問題のある学生はいませんか?」と問われたので「1年間やって、1年生の名前と筆跡はようやく一致するようにはなったが、名前と顔は一致しない。性格も分からない状態だから、それはちょっと……」と話した。受け持ちの学生と直に会うのは、年2回の読書講座の時だけで、それもマスク越しだから、学生の顔はほとんど思い浮かばないのが実情だ。 常々、顔と名前が一致してこそ教育だ、と考えているのだが、コロナ禍なかなか思うようにはいかない。まぁ2,3年やっていれば学生たちと気持ちが通じ合えるようになるだろう。 驚いたことに感想文担当のNくんは4月に異動になり、学生寮からこの団体の本部に配置換えになるとのこと。気心が知れたころに担当者が変わる。新年度は塾頭のT氏が担当する。12年の間に感想文担当はなんと8人目か。この団体も今や職員140人を擁し、創業者もかなり高齢化して、転換期を迎えているのだ。 |
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