きょうは広告のエースで、今は竹橋の関係会社の社長をしているTくんの誕生日である。中国語研究会の組閣幹事長であり、俺が幹事長をしているゴルフコンペの総参謀の要職にある。俺が10年前栃木の新聞社に行くことが決まった夜は、銀座のクラブでお祝いをしてくれ、3時間歌い続けたこともあった。 遊びにも熱心なTくんが、本好きであることを知ったのは15年ほど前、竹橋の会社の喫煙ルームで会った時、彼があまり本屋に置いていない私家版の「編集者斎藤十一」という本を抱えていたからだ。「週刊新潮」の生みの親、十一氏の本を俺は読んだばかりだった。こんな本を読んでいる広告部員がいるんだと思い、以来彼がデスクに昇進した時には、さわやか福祉財団を興した堀田力さんの「おごるな上司」、部長になった時は電通マンの作家、藤原伊織氏の「シリウスの道」、役員になった時は贔屓の葉室麟の名作「無双の花」をプレゼントしてきた。 その彼の誕生日がきょう23日であることを知ったのは2年ほど前。となるとお祝いは本ということになる。で、一年前は後藤正治が詩人、茨木のり子の生涯を追った「清冽」をあげた。ボケが進んで自宅に2冊あることが判明した「編集手帳子」、竹内政明の文章術の文春新書と、沢木耕太郎の「旅のつばくろ」も、彼なら楽しんでくれると思い、この1月に差し上げた。 さて、きょうはどうしたものか。横山秀夫の「64」が年齢的にピッタリと思ったが、尋ねたら既読とのこと。う〜ん、残念。で、社長業のかたわら気楽に読めて楽しめるミステリー「爆弾」(呉勝浩著)をプレゼントすることにした。23年版の「このミステリーがすごい」(宝島社)、「ミステリが読みたい」(ハヤカワミステリマガジン)の第1位。1月に読みけっこう面白かったのだ。 25日の土曜日に中国語の勉強会が予定されているのでその席で手渡すことにするが、たぶん気配りのTくんのことだから、本代の十倍くらいは献上してくれるだろう、な!! |
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