我が家で一番パソコンに詳しいのは調布に住む編集者をしている次女である。で、「6万円の詐欺に遭った。パソコンを買い替えねばならない。手伝ってほしい」と連絡すると、引っ越ししたばかりの彼女は「それ、典型的な詐欺じゃん。モーレツに忙しいけど、日曜日に時間を取る」とおととい午後1時過ぎ、ケーキ6つを携えて拙宅に来てくれた。 「お巡りさんは使わない方がいいと言うけど、ウイルスにホントに感染しているかは分からないから」と目にもとまらぬ速さでパソコンを動かし、画面の天地がひっくり返っているのを逆転させ、インターネットにも接続させた。こっちは口をあんぐり。次女は学生時代、ヤフーの電話相談窓口のバイトをしていたこともあるのだった。 「うん、新しいパソコンを買う必要はないな」とのご託宣である。やったぁ!被害は6万円で済んだ。老いては子に従えか。「同じような被害を出さないために警察に被害届を出しては」と勧められたが、これ以上面倒なのはいやなので「もういいよ」。彼女は来る前に国民生活センターのパソコンによる詐欺のHPを見分してきた様子で「ほら、そっくりな詐欺でしょ」。画面が動かなくなった場合にはどこどこをクリックすればいいと教えてくれたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、もう覚えてはいない。 「6万円分のアップルカードって、あるの?」と言うから出して見せたら、しっかり彼女も証拠写真を撮っていた。「とにかくすぐ電話しちゃダメ」とのご指導を受けた。で、1月にスカイプのカメラをクレジットカードでお金を払って直してもらった話をしたら、「たいがい無料だよ。検索画面の上の方に出ているのは怪しいところが多い。なに?毎月相談料を4500円も取られているって?そりゃ何とかしないと」と3カ月前の悪徳業者のメールを探し出し、パスワードが残っているのを発見し、知らないうちに入会させられていたサービスの解除にも成功した。 約2時間の間に昼メシを食べていないからと、ケーキを3つも食いながらのあっぱれなパソコン操作だった。6万円の授業料は安くはなかったが、初めて小金井警察署の仕事ぶりも見られたし、次女の能力の高さやパソコンの特殊な動かし方も知ることができ、ためになったウイルス感染騒動だった。 × × × × 今週の拙宅の花は、黄色のカップ型のバラ「カタリナ」と赤い「シャルロットローズ」というリシアンサスです。 |
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