101年続いた「週刊朝日」が休刊するというので、6月9日休刊特別増大号を求め、端から端まで読んでみた。表紙は取材に飛び出す編集部員を手前に置いた編集部の光景。出前のおじさんの前でラーメンをすすっている部員もいれば、机に突っ伏して仮眠を取っている女性もいる。この表紙を見ていて、一時代が終わったなぁという感懐を覚えた。ヌード写真のない新聞社系の週刊誌は売れないからなぁ。あっても売れないか。 朝日新聞社は週刊の高級誌(?)「AERA」がまだあるけど、毎日新聞社の「サンデー毎日」はどうするのだろう。毎日で長年ロクを食みながら、そそられるネタのないサンデーなんて30年間読んだことがなかった。最後の「週刊朝日」に目を通し、あれ?と思ったことがある。後ろのグラビアページにある「似顔絵塾」(かつては週刊朝日を後ろから開かせるといわれた『ブラックアングル』の山藤章二が塾長をしていた)が、これからは「サンデー毎日」に、塾長の松尾貴史ごと移るというのだ。 松尾は毎日本紙の日曜版にその達者なイラストと文章を毎週載せているのだが、サンデーに似顔絵塾を持ってくるとなると、毎日は簡単に「サンデー毎日」をやめられないぞと思った。「週刊朝日」より部数が少ない「サンデー毎日」は経営上のお荷物。いつ廃刊になってもおかしくないとみていたが、これではなかなかやめられないではないか。 休刊特別増大号では、篠山紀信が表紙を撮った女優、宮崎美子の熊本大生時代の写真なども再録していた。この表紙には見覚えがある。クイズ王の宮崎さんはこんなに愛らしかったのだ。彼女を推薦したのが熊大同窓の福島靖正氏。現在厚労省の医療系官僚のトップ、医務技官をしている。ちょっとした知り合いで、福島氏のお嬢さんも東大生の時、週刊朝日の表紙を飾ったことがある。「表紙を二人も推薦したのは俺くらい」と自慢していた。 「週刊朝日とわたし」の特集で、宮崎美子は「週刊朝日なら脱がされることはないだろうという安心感がありました。1980年のあの表紙の号は今も大切に保管してあります。『休刊』なんですから『復刊』もありえますよね」と話しているが、紙からデジタルの流れを考えたら、復刊なんてありえないよな。休刊という名の廃刊だよな。 |
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