各地のジャズスポットで慎み深いアルトサックスの音を響かせる巨匠、宮野裕司さんの生誕記念日は今月16日である。この3カ月自分がどんな駄文を連ねてきたかを知ろうと、このつぶやきの前身「冷奴の部屋」のクリアブック39冊(2002年12月〜14年6月)のすべてに目を通したら、03年6月16日の項に「祝ゲー10ゲー歳」のタイトルで宮野さんの55歳を寿ぐ記述があった。 となると今度の16日で後期高齢者入りではないか。で、おととい国立「奏」で行われた「海野さん初登場」と題したアルトサックス、ユーフォニアム、ギターのトリオライブを聴きに行った。初めて聴くユーフォニアムの海野さんは、宮野さんの年齢の半分くらいの品のよい女性で、宮野さんとの息もぴったり。巨匠はこのような若手と一緒のステージに立って元気をもらっているのだと感じた。 で、ファーストステージとセカンドステージの間に、巨匠に今度の年齢はどう言うの?と食い下がった。ジャズメンはドイツ風なドレミファソラシドで数字を隠語で表すことは聞いていたが、75はどういうのか知らなかったのだ。 それによると、ドイツ風のドレミファは、ツェー(C)、デー(D)、エー(E)、エフ(F)、ゲー(G)、アー(A)、ハー(H)で、それを数字の1〜7に当てはめる。ちなみに8はオクターブ、9はナインスとか。だから例えば、46歳は「エフ10アー歳」ということになる。 で、宮野さんの言うことにゃ「ほんとにハーゲーになっちゃう」。客席にいた宮野令夫人がたまたま持っていた40年ほど前のスナップ写真には、髪の長い宮野さんが映っていて、まだ若い海野さんやギターの増田涼一郎くんは、いまの宮野さんのけっこう薄い頭髪との対比にたまげていたなぁ。 巨匠曰く「ジャズ仲間は四谷のことを”エフや”とか言っていました」。アルファベット順なら、「シ」のところは「B」なのに何故か「H」。俺の第二外国語はフラ語なので、ドイツ語のことはよくわからないのでした。 |
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