俺が学生時代やっていた当時のマイナースポーツ、バドミントンは「卓球のスピード、テニスのスタミナ」と称した。今はバトミントンではないことは誰でも知っている。そんな同じラケット競技であることもあって、この時期テニスの4大タイトル、ウインブルドン大会はNHKで時折見る。土曜深夜は女子シングルス決勝、月曜未明は男子シングルス決勝だった。 このところの女子テニス界は、大坂なおみは産休で、かつての絶対エース、シュテフィ・グラフやビーナス・ウィリアムズのような選手がおらず、シフィオンテク(ポーランド)、サバレンカ(ベラルーシ)、リバキナ(カザフスタン)、ジャバ―(チュニジア)などの戦国時代となっていて、顔と名前が一致しない。 土曜の決勝はジャバ―とボンドソウソバ(チェコ)の戦い。ジャバ―は昨年の準優勝者。一方のボンドソウソバは世界ランク42位のノーシード選手だがのびのびとしたプレーでジャバ―を揺さぶり、6−4、6−4でノーシードから初の優勝を勝ち取った。あとで東京五輪で銀メダルを取っていたことを知った。 俺が注目したのがボンドソウソバの両腕のタトゥー。優勝インタビューで「タトゥーにこだわりがあるようですね?」と聞かれ「優勝したのでまた一つ入れます。勝ったのでコーチにも入れてもらいます」と話した。昨年結婚したばかりのダンナが実に優しげな男で、印象的だった。 男子決勝はどうせ正確無比のジョコビッチ(セルビア)が5連覇を飾るんだろうと見るつもりはなかった。相手は20歳のアルカラス(スペイン)。1セット目はジョコビッチが6−1で取り、こりゃあっさりと思っていたら、2セット目、タイブレークでアルカラスが7−6で取り返した。あれれ! 第3セット、アルカラス3−1で迎えた5ゲーム目、ジュースが延々と続いて13度。ジョコビッチがついに力尽きた。これでアルカラスが勢いで勝つかと思ったが、ジョコが4セット目を6−3で取り返し、試合はフルセットに持ち込まれた。こりゃ、寝られんわ。 フルセットでも若いアルカラスの勢いは落ちない。冷静なジョコが凡ミスにラケットをネットの支柱にたたきつけるシーンもあった。死闘4時間42分。ついに若さが老練を打ち破った。アルカラスはコートに倒れこみ雄たけびを上げた。世代交代はこのようにやってくるのだと、この目に焼き付けたのでした。 × × × × トイレの一輪挿しは「オールフォーラブ」という濃いピンクの大輪のバラです。 |
|