隠居志願のつぶやき2017

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...... 2023年08月16日 の日記 ......
■ 草刈正雄の涙   [ NO. 2023081601-1 ]
 おととい月曜夜は、いつものようにBSフジで再放送している中村吉右衛門主演の「鬼平犯科帳」に熱中。せがれが急ぎ働きの盗賊の頭になり、昔馴染みの鬼平のおひざ元、江戸で盗みをするのは許せないと盗みの日取りを密告する母親役(のちに自害)が光本幸子かぁと感じ入った。光本はフーテンの寅さんの初期のマドンナだったのだ。
 そのあとNHKにチャンネルを切り替え、台風の進路をチェックし、それから夕メシに出るつもりだったが、直後のファミリーヒストリーに草刈正雄が出るというので、ちょっと見てからにするかという気になった。若いころの草刈はモデル上がりであまり好きではなかったが、近年では大河「真田丸」で真田昌幸を好演し、「美の壺」の司会でもいい味を出している。
 ちょっとだけのつもりだったが、草刈のルーツに迫るNHKの腰を据えた調査にたまげ、最後まで正座して見てしまった。福岡出身の草刈は米兵だった父とバスの車掌をしていた母スエ子との間に1952年9月に生まれた。学年でいうと俺の2コ下だ。スエ子からは父は朝鮮戦争で亡くなったと聞かされて育ち、父の写真は全部焼いてしまったというので、父の顔は知らない。
 名前はロバ―ト・トーラ。スペルは不明である。NHKは草刈がかつてのインタビューで父はノースカロライナ州の育ちで祖父は郵便局員と語っていたのを手掛かりに、米軍の持つ兵士の膨大な記録をしらみつぶしに当たり、草刈の父がロバート・H・トーラーで、草刈が生まれる前に米に帰国。日本でスエ子との間に子どもをもうけたことをひた隠しにし、心を病んだことを突き止め、ロバートの姉、96歳のジャニタさんに行きつく。
 ジャニタさんはスエ子さんから子どもが生まれたとの手紙をもらったが、「当時は貧しくどうしようもなかった。このことはこれまで誰にも言えなかった」と話す。この映像を見ながら草刈は「何も言えません」と目頭を押さえる。そして、父ロバートの若き日のハンサムな写真を見せられ「似ていますか?」父は朝鮮戦争ではなく2013年に83歳で亡くなっていた。
 この父親捜しの調査は昨年10月にスタート。草刈のいとこに行きつき、そこから96歳のジャニスさんにたどり着く。すごい調査だった。草刈は7月葛藤を抱えながらもジャニタさんに会いにいく。「こんな幸せなことはない」と話すジャニタさん。自宅にはインターネットから入手した草刈の写真が飾られていた。このファミリーヒストリーは出色の出来だった。泣けたなぁ。
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 トイレの一輪挿しは「エターナルルージュ」というえんじ色のダリアです。

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