きのうの甲子園の慶応対仙台育英の決勝戦をちょっとだけ見た。故障で今季登板がなくなった大谷くんはよく見るが、高校野球への興味を失っているため、この夏甲子園のゲームを見るのは初めて。実は43年前の夏、横浜対早実の決勝戦の担当記者として、あの暑いアルプススタンドにいた経験があるので、甲子園は慶応の大応援団ですごいことになっているだろうと、それを確認したかったのだ。 俺は駆け出しが福島支局、支局長が秋田だったので、東北へのシンパシーはあるのだが、野球学校という思いの強い仙台育英はあまり応援する気にはならない。昨夏の深紅の大優勝旗の白河の関越えはよかったが、二連覇はもういいのではと思っていた。一方の慶応。丸刈りではなくサラサラヘアの選手たちで、なんとなくひ弱そうに見えるが、なかなかどうして、春10回、夏19回も甲子園に出場している古豪だ。 エンジョイ・ベースボールの部訓は好もしいではないか。でも、育英は強いだろうなとみていた。と、プレーボールの直後、当たっているプリンス1番丸田が、育英の湯田投手からライトにホームランを打った。三塁側のスタンドは赤と紺色のメガホンが揺れる。こりゃ、面白くなった。大応援は選手の力になるだろうなぁ。1回もう1点を加え、2回表にももう1点。王者育英にはこのくらいのハンデをもらわないと好勝負にはならないと思っていたら、果たして育英は2回と3回に1点ずつ取り、3−2。 これは接戦になるなと思って外出し、電車の中で慶応が5回に大量5点をあげて勝ったことを知った。夜スポーツニュースを見たら、5回は育英のエース高橋が連打を浴び、センターとレフトが交錯して落球するという王者らしからぬ守備の乱れもあったらしい。これ、慶応の大応援にのまれたのかもな。 今朝の新聞によれば、慶応の森林貴彦監督(50)は慶応幼稚舎の3年生を受け持つセンセなんだとか。「小学生と高校生を同じ日に見られるのは僕だけしかできない経験」という言葉が面白い。慶応にはあの清原の次男で2年生の勝児くんもいて、9回に代打で出て四球を選んだが、成績が足りず留年しているため、来年の出場はないのだとか。学業優先の部活っていいじゃない。 |
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