隠居志願のつぶやき2017

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...... 2023年10月05日 の日記 ......
■ 前日銀総裁におごる   [ NO. 2023100501-1 ]
 先週、1年越しの懸案をようやく片付けた。素浪人が前の日銀総裁に昼メシをご馳走したのである。貧しき民が日本銀行券を発行しているところの責任者だった方におごるなんてそうあるものではないと、実に愉快だった。
 経済部の駆け出し時代から知っている黒田東彦前日銀総裁(78)が、財務省を退官した直後の20年前、一橋大の教授を務めていて、役所の時のように部下もいなかったため、休日出勤して資料作りに励み、奥方から「役所の時より働いている」と笑われたエピソードを、昨年11月の一橋大のOB会報に書いたことは、昨年11月11日につぶやいた。
 この原稿は俺が対外的に書くおそらく最後の原稿で、原稿料として3000両の図書券を同窓会事務局からもらった。この原稿が書けたのは黒田さんが教授時代の思い出をメモに残していたためで、忙しい中ご本人に原稿チェックもしてもらった。で、原稿料の半額を使っていつかご馳走しますと、掲載誌を送った時に添えた手紙で約束していたのだ。
 この4月、十年間も務めた日銀総裁を退任した黒田さん。そろそろ暇になったろうと8月に連絡を取ったところ、政策研究大学院大学の特任教授に就任し、10月からは授業も受け持つとか。で、先週の昼メシ時に皇居を見下ろす神田のOB会館で1時間余り歓談することができた。直接お目にかかるのは一橋大の元学長、石弘光さんの葬儀以来だから、6年ぶりか。黒田さんは重責から解放され清々しい感じだった。少し若返ったか。
 おごると言っても、サンドイッチに紅茶という軽食。翌日からネパールに講演に行かれるとのことで「アジア諸国では農業をやるのに、水が足りない国が多くて大変。一人当たりだとパキスタンが一番水が少ない」と、金融の話ではなく農業の話をしに行くらしい。米国の大学でも講演、授業が待っている様子で、総裁を辞めてもそう楽はさせてもらえないみたい。
 若い頃、英国オックスフォード大に留学し、IMFにも出向していた経験のある人だから、横文字は苦にならないのだった。金融政策についてのインタビューは、全部断っているとのことだったなぁ。

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