週初ちょっと残念なことがあった。いくらもプラスにはならなかったが、日曜日のG1秋華賞を狙いの通りにゲットし、こういう時は記念のケーキでも食べようと思い、贔屓の西国南口徒歩3分の小さなケーキ屋さん「ボーンスマイル」を訪ねたところ、「長年ご愛顧いただきありがとうございました。ボーンスマイルは9月30日で閉店いたしました」の張り紙を見つけたのだ。う〜ん、こうなるのだったら、9月中に訪れておくのだった。 15年も西国に住んでいて、「ボーンスマイル」の存在に気付いたのは宇都宮から戻った6年前。タウン紙においしいかき氷の店があるというので、脇道沿いにある「ボーンスマイル」を訪ねた。由佳ちゃんという愛想のいい娘が店を切り盛りしていた。俺はかき氷は頭にキーンと来るので、その時は小ぶりなケーキと珈琲をいただいた。由佳ちゃんオリジナルのケーキは甘さが控え目でなかなかおいしく、雑談でタウン紙に取り上げてもらうのには数万両必要なのだということも知った。 以来、娘の誕生祝用のホールケーキは駅前の不二家よりリーズナブルな「ボーンスマイル」さんにお願いすることにし、マンション管理組合の女性副理事長さんとの役員人事についての密談でもここを使った。大通りに面していないから、密談にはもってこいのお店だった。お品書きに餡蜜はなかったけれど。小平市のシルバー人材センターで襖張と網戸修理のアルバイトをしている健さんに、ウチの網戸をタダで直してもらった時も、ここでケーキでお礼したのだった。 その由佳ちゃんが「結婚したんです」と話したのが昨年の春だったか。早く赤ちゃんがほしいと、婚活サイトで真剣に相手探しをして、これはという人に巡り合ったのだとか。店内の食品安全責任者の苗字が知らないうちに変わっていた。最後に寄ったのはこの夏の猛暑の日か。珍しくかき氷を食った。その時は閉店のことを何も話してはいなかったが、俺の推測だと、たぶん赤ちゃんができて、店をたたんだのでは、というものだ。早くほしいと言っていたものな。 だから、一人の客としては残念な閉店だが、推理が当たっていればおめでたい話である。由佳ちゃんのスキルがあれば、子育てが終わったら、また店を開けばいいのだから。でも、「ボーンスマイル」のケーキがしばらく食べられないのは、甘党としてはちとつらいな。 × × × × 今週の拙宅の花は淡い紫の大輪のバラ「ヤギパープル」など4色のバラです。 |
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