ハートが感じられない増税メガネくんの演説はつまらないので、この1年岸田首相の会見は見たことがない。しかし、政権を支えてきた安倍派幹部が派閥のパーティー券収入を裏金として懐にいれていたことが露呈し、同派の松野博一官房長官らが本日更迭されるという流れの13日夕方の首相会見は、テレビの前に陣取りメモを取りながら聞いた。 官邸では「首相就任後では一番大切な会見」とみていたようだが、額のシワが深くなり「火の玉になって改革の先頭に立つ」という言葉はあったものの、火の玉の迫力は全くなかった。キシダメ総理はやることなすことが後手後手だし、せっかくの会見も検察に告発された問題であるから、経緯をみてから判断するというスタンスで、具体的に自民党をこう改革するというものは一つも出てこなかった。 だいたい首相は派閥を離脱するのが慣例となっていたのに、裏金問題が火を噴いてから岸田派を離脱すると言ってみたり、派閥の政治資金パーティーの開催自粛を要請してみたり、やることが遅い。その一方で、問題を起こした安倍派の政務三役の15人は全部クビにする方針だったのに、キックバックも受けていない若手まで辞めさせるのかという安倍派の猛反発で、クビにするのは大臣・副大臣で、政務官までは含めないとトーンダウンした。 レイムダック岸田内閣の官房長官など誰もやりたくないだろう。仕方なく自派の林芳正・前外相にお鉢が回った。これだって、キシダメが離脱した後の派の会長は、経歴からみて林がなるものとみていたが、林の力が増すことを恐れ会長ポストを空席にしていたのだ。安倍派がシンゾーくん亡き後、派閥会長を決められず、五人衆の集団指導体制だったことを笑えない事態だった。 NHKの直近の内閣支持率は23%で、自民党の支持率もこの十年では最低の29%と三割を割った。ことし何度も解散風を吹かせた岸田だが、とても解散などできる状況ではない。来年9月の党総裁選まで持たないのではないか。12日に発表された今年の漢字は「税」だが、岸田くんの今年の漢字は克服の「克」だとか。告発の「告」も同じ音だよな。
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