35年も通っていた新宿のパンがおいしいフレンチレストラン「L」がコロナで閉店し、マスターの娘さんが1年半前、飯田橋に小さいながらも「L」を再オープンさせたことは、ここで何度かつぶやいた。新宿時代の「L」に美人ライターのC嬢を誕生祝いに案内したのはコロナの前年暮れだったか。この素敵な店を彼女に長くぜひ使ってもらいたいと思い、きのうの昼は一週遅れの誕生祝いを「L」で挙行した。 C嬢に会うのはだから4年ぶりか。とはいえ彼女はX(旧ツイッター)を頻繁に更新しており、ずっとXを傍受しているのでしばらくぶりという感じは全くしない。昨年ゼンコー入りして年金ももらっているというのに、美貌に衰えがないのには驚いた。活字不況で仕事は少なくなっているとはいえ、第一線で書く仕事を続けているから、気持ちの張りが違うのだろう。 おととい人間ドックでバリウムを飲まされ、胃の調子がいまいちという彼女は、前菜のキッシュはパスして、スープから。俺はキッシュも食いスープもいただいて、メーンは柔らかなお肉。名物のあったかなパンにここでしか食えないバターをつけては齧る。なんでこんなにうまいパンなのか。 早稲田の国文を出たC嬢。「源氏物語は全部読まれました?」と尋ねたら「ええ。田辺聖子の超訳はいいですよ」。彼女は朝ドラ「ブギウギ」もしっかり見ていて、主演の趣里がファニーフェイスである点で意見の一致をみた。岩手県出身の彼女は大谷くんの動向にも詳しく、「ドジャース入団会見での大谷のふるまいはよかった」と話す。 俺なんか全く意味が分からなかった中指を立てる行為が最大の侮辱というのも「アメリカ映画を見ていればわかりますよ」。何でも知っている方なのでした。一番笑ったのは彼女の早稲田出身の友人がキシダくんに「先輩!とすり寄ったら、『僕は開成だよ』と返答された」というお話。たしかにキシダメからは都の西北の感じはしないな。 もっと本の話などをしたかったのだが、人間ドック明けでお疲れの様子だったので、ランチだけで早々に別れた。しかし、あれだけおいしいものを出して(デザート、コーヒー付き)、昼コース1700両というのは、ちと信じられない。予約がなかなか取れない訳だ。
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