隠居志願のつぶやき2017

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...... 2024年03月07日 の日記 ......
■ 2月に読んだ本   [ NO. 2024030701-1 ]
 ひな祭りも啓蟄も過ぎたというのに明日の関東は雪予報。けっこう寒い。いったいどうなっているのだということで2月に読んだ本。
 磯田道史著「磯田道史と日本史を語ろう」。磯田さんのおかげで日本史好きが増えていると思う。その磯田氏が徳川宗家19代家広氏や浅田次郎氏、半藤一利氏らとこの15年に対談した内容を文春新書にまとめた。こういうのすぐ読めてしまう。逢坂冬馬著「歌われなかった海賊へ」。22年の本屋大賞を取った「同志少女よ、敵を撃て」を書いた逢坂氏の受賞第一作。ナチス体制下のドイツで、隣町に強制収容所があることを知った少年少女の物語だが、あまり楽しめなかった。
 河崎秋子著「颶風の王」。1月に「ともぐい」で直木賞を取った河崎氏が2015年に書いた長編の文庫。六世代にわたる馬と人間の交流を骨太に描いた。この本もなかなかすごい。奥田英朗著「沈黙の町で」。読書感想文の課題図書にしたため、十年ぶりに再読。中2の男の子が死ぬ。自殺か事故死か。この子がいじめに遭っていたことが分かり、小さな町は騒然となるという考えさせられる内容。
 水谷千秋著「教養の人類史」。朝日新聞の読書欄で紹介されていた文春新書だが、それほどの内容ではないと感じた。国立国語研究所編「日本語の大疑問2」。佐々木の「々」は「同の字点」ということを70年以上生きてきて初めて知った。ずいぶんとためになったので、3年前に出た「1」も読み始めた。
 山極寿一著「森の声、ゴリラの目」。ヒトが直立二足歩行をするようになって、喉の喉頭が下がりさまざまな発声ができるようになったなどほうということが書かれている。ゴリラと話ができる山極さんは現代で一番信頼できる学者だと思う。塩田武士著「存在のすべてを」。迷宮入りした二児同時誘拐事件の真相に迫る。ことしの本屋大賞の候補作だが、塩田さんの作品では「罪の声」の方が上だろう。
 池永陽著「下町やぶさか診療所 傷だらけのオヤジ」。昨年大学1年生に出した読書感想文の課題図書で一番人気だったのが、この文庫の第1巻。文庫書下ろしで4冊目だが、楽しく読める。池永氏は時代モノも現代モノも書ける贔屓の作家なのだ。

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