2月から毎週日曜日夜10時からNHKBSで楽しみに見ていたプレミアムドラマ「舟を編む〜私、辞書つくります〜」がきのう21日の10回目で終わった。この「舟を編む」は辞書作りに没頭する出版社「玄武書房」の辞書編集部の姿を描いた三浦しをんの小説を原作にしたドラマ。小説は2011年に刊行され、翌12年の本屋大賞を取り、13年には松田龍平主演で映画化もされている。 原作も面白く、映画も見たのでテレビドラマがどうなるか心配もしていたが、活字離れの時代の出版社の経営や原作にはなかったコロナ下での辞書作りの苦労なども描かれ、毎回楽しみに見た。 こういうドラマはキャスティングが肝心で、辞書「大渡海」作りに没頭する編集部主任、馬締光也役を野田洋次郎が好演。ひょっとしたら松田龍平よりピッタリだった。その妻で料理人をしている香具矢は映画では宮崎あおいだったが、美村里江がいい感じで演じた。 映画と大きく異なるのが、女性ファッション誌から辞書編集部に回され、辞書とは縁遠い編集者役の岸部みどりをドラマの主役として作り、これを池田エライザが好演。辞書作りにドンドンのめり込んで行く姿がなかなかよかった。 分厚い辞書作りにはぬめりがあって、薄い紙の開発が欠かせず、紙のエピソードも満載だった。経費のかかる辞書作りにストップをかけかかる玄武書房の社長役は堤真一で、この辞書は絶対売れると会議で主張する宣伝部員で影の編集部員役としていい味を出していたのが向井理。 編集責任者の言語学者は映画では加藤剛だったが、ドラマでは柴田恭兵。この柴田が思いのほかよかった。やはり力の入ったドラマは見ていて引き込まれるね。 |
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