隠居志願のつぶやき2017

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...... 2024年04月23日 の日記 ......
■ 「塞王の楯」一気読み   [ NO. 2024042301-1 ]
 そろそろ読んでおかないとと思って今月購入したのが、2年前の1月に直木賞を取った今村翔吾の時代小説「塞王の楯」(552ページ)だ。同時期に直木賞を取った米澤穂信の「黒牢城」を読み面白かったのと、石垣造りの職人の話というので、まぁいいかとうっちゃっていた。
 今村の時代小説はその後「じんかん」「幸村を討て」を読み、なかなかと感じていて、去年は「教養としての歴史小説」に感心し、先月には新書の「戦国武将を推理する」を読んだ。となると直木賞受賞作を読まずにいる手はないと思うに至った。
 主人公は幼い頃、越前・一乗谷城を織田信長に落とされ、父母・妹を失った匡介。逃げる途中、石垣職人、穴太衆(あのうしゅう)の頭、源斎に助けられ、源斎の下で修業し、関ヶ原の戦い前夜、徳川方に付いた京極高次の要請により、琵琶湖に面した大津城の守りを頼まれる。
 一方、砲術のプロ、国友衆の次期頭目、彦九郎(げんくろう)は西軍の名将、立花宗茂に頼まれ、この大津城を大砲で落とすことに奔走する。どんな攻めをもはね返す石垣とどんな守りも打ち破る砲。「最強の楯」と「至高の矛」との対決を描いた戦国小説。
 この大津城の攻防は300ページを越えたあたりから始まるのだが、そこまで読むのに1週間かかったものが、残り半分となってからこの小説はべらぼうに面白くなり、先週金曜日深夜から久々に250ページ近くを一気読み、気が付いたら明け方だった。古稀を過ぎてからの一気読みはあまり記憶にない。それだけこの「塞王の楯」は面白く、特別だったいうことだ。

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